主人公になるのを諦めたオタク

色々あったこと、やったことを書いていきたいと思います。

Summer Pockets REFLECTION BLUEの感想

 どうもゆのりです。今回は感想と報告を兼ねて少しだけ。とはいってもブログタイトルを変えた話だけなんですけどね。
 というわけで、6月26日に発売されたサマポケRBの感想を書いていきます。
 色々と書きたいので初期の頃に書いていた用な感じに共通√、個別ルート、総合みたいなものに分けます。

 攻略順ではなくREFLECTION BLUEには無印があるので、新規組→既存組の順番で。
 本題に入る前に個人的おすすめ攻略順を紹介。

 しろは√→鴎√→美希√→紬√→静久√→識√→蒼√

 物語の鍵となる七影蝶を軸として考えてみた結果こうなりました。
 まあ自分が可愛い子からやりたいよ!って人はそれが一番かと。
 では本題へ

 ※ネタバレはありなのでもし、「やったことがない」「まだクリアしていない」という方はブラウザバックしてこの物語をぜひ楽しんでください。
 もしそれでも読みたいという方はぜひ。

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 ギャルゲーといえば選択肢を選んで各ヒロインのフラグを立てたりして、色々と分岐して物語が派生していくのが今どきの作品ですよね。
 でも、この作品はプレイヤーがやりたいことをやる。少しだけ物語に触れますが、つまり鏡子さんが言う「蔵の整理はあとにして主人公がやりたいことをやる」をプレイヤー自身に体験をさせていると私は思っています。
 プレイ済みの方では知っての通りですけど、個人的の備忘録として残したいので書かせてもらいますね。余談みたいなものです。
 プレイヤーがやりたいことをやる。それだけだと一見難しいように見えてしまうけれど、基本的には自分が攻略したいキャラクターが出現したらそれを選び、そうでない場合はプレイヤーの好きなイベントを選択すれば自ずと各ヒロインの√に入れるでしょう。

 閑話休題

 物語について
 島。悪く行ってしまえば「閉ざされた空間」。田舎特有の昔からの慣わしで酷い目にあったり、習慣で閉塞感を感じるということは全くないので安心安全。 keyだけとは言いませんが、クソくだらない男どもの会話も日常パートも面白く、基本的に退屈することがない。安心安全。毎回思うんですけど、鍵の男キャラってヒロインよりも魅力的じゃない?
 主人公について
 前作では主人公の過去についての深堀りをもう少ししてもいいんじゃないかなと思っていました。ですが、今作では私の妥協ラインに触れてたので個別の話にそこで書きます。 まあ、個人的に過去の重い話を掘り返しているのが好きなのもありますけど。

神山 識

 今作で新規追加されたヒロインの神山識ちゃん。サマポケにあるものをフル活用していたお話でしたね。いい意味で裏切られました。
 このお話は都合が良すぎて感想としてまとめられるか心配ですけど。色々な雑学的なものから思わせぶりな単語。所々にはさまる鬼ごっこ。鬼を探し、島を巡って。まさしくそれは夏休みでした。
 この子は消える系ではなくて歴史改変をして自己犠牲で亡くなってしまう系。
 鬼の話を探すためにこの時代にやってきたのではなくて、たまたまこの時代にやってきて過去を変える。キーアイテムの古文書の書き換えをするために二人は頑張って識は鬼になろうとするのはいいんです。確かに面白かったです。
 ただ、やっていて感じた違和感。この夏休みをヒロインのために使うのはいいんですけど、傷ついた渡り鳥の主人公はどこへ行ったんだ?思いを馳せる主人公もいいですよ? 静久√の後でやったからなのか少し消化不良でした。でも面白いことには限りないです。

水織 静久

-1-
 今作のサマポケRBでサブヒロインからヒロインに昇華されました。めでたいですね。個人的にめちゃくちゃ嬉しかったです。どうしてなのかは言いませんけど。(察してくれ)
 前からひっそりと推していたのもあってなのか、イチャイチャが他の√より1,000倍増しですごく良かったよ。満足。久々にギャルゲーやったわって感じがしますねぇ。
 物語については普通に良かったです。というか泣いてしまいました。これはすべて思い込みと悩みによるヒロインの話といえばいいんでしょうか。
 ひとつずつ、かいつまみながら書いていきます。それとネタバレ全開です。

 昔から静久は完璧無欠のパーフェクトガールだった。
 ↓
 親としては普通に育ててあげたいけれど頭の良さから馬鹿にされていると感じる。

 馬鹿にされているように感じたら、みんな普通に嫌なのが当たり前だと思っています。
 そうして、家庭は悪化していきます。そりゃヒステリックにもなる人もいるかも知れません。可能性はゼロではありませんので。
 その環境から静久は記憶を持てなくなってしまいます。静久√のキーワードみたいなものですね。
 まだまだ私はガキなので親からの目線で見るなんて事はできませんが、自分の子供はさぞかしめちゃくちゃ可愛いでしょう。だからこそ、そうなってしまった結果を招いてしまったのかもしれません。
 普通が普通であるのは当たり前かもしれませんが、普通に囚われすぎてしまえばその時点で異常でしょう。ただそれもまた普通なのかもしれません。

 島にやってきた静久は猫を助けるために色々する
 ↓
 神社で神頼みをするけど、そこは縁を切る神様だった。

 これは静久が島の言い伝え「神社にまつわる話をあたかもそのようにしてしまう」
 田舎の噂や言い伝えは本当にあるかのように聞こえるのを使って自己暗示していた。

 静久は学校でも完璧無欠のパーフェクトガールとしてやっていた。
 ↓
 人に頼られることで自分に価値があると自己暗示をしていた。
 ↓
 記憶を都合よく消してしまうので周りから妬まれる。
 ↓
 嫌なことは都合よく消してしまい、なかったかのように接する。それが負のループ。

 この「人に頼られることで自分に価値がある」これも親が原因となったもの。 頼られて褒められて、そうして静久が成り立っている。 つまり、自分には価値がないと思い込んでいる静久を補うための補強材。
 静久は弱い人間ではなく、そうさせた天才的な能力ってのが不憫ですよね。

 

-2-
 だらだらと書いてしまいましたが、静久と主人公は似てないようで似ている苦悩を持っていて、支え合って、そうして乗り越えた先に二人はケジメをつける。二人の悩みをまたそれを補強材として使ってはいけないと。
 奇跡なんてものはありません。だからこそ、その時が一番輝くのです。
 私は「同じ日が続けばいいのにと、都合よく記憶を消しているタイムリープもの」と騙されていましたね。意味深な言葉に意味深な内容。そりゃそうなりますよ。 叙述とまでは言えませんが、これもまたミスリードで一本やられました。

 冒頭で書いた主人公の水泳部の件について

 相談室という形で主人公の悩みを聞いてあげているのが良かったです。ただ、私がしてほしいものではなかったですけど、それでも主人公が他の√よりもケジメをしっかりと感じ取れたので良かったです。

野村 美希

 静久と同様、サマポケRBでサブヒロインからヒロインに昇華されました。めでたいですね。かわいい。
 毎日を全力で駆け抜けていくような感じではないです。のみきだけでなく、今までサマポケをやってきたけれどもう一度、鳥白島とはどういう所なんだろうと再認識できるようになっていました。
 話に挟まってくる謎の夢(七影蝶が見せる夢)が「!」を選択していたノリのようで普通に面白かったです。終盤にかけて「周りの登場人物が冷たく当たってくる」夢の話は少しキツかったですね。
 そのおかげで島民の人たちが本当に優しくて温かかったのかを感じさせてくれました。
 終わった瞬間に最後の最後で泣いてしまった。本当に恵まれているなって。

 

 

↓↓ここからは既存組↓↓

鳴瀬 しろは

 しろはに関しては後々について物語に関わってくるので色々バッと話すことはできないからここであったことについて少しだけ。
 めっちゃ泣ける!泣きゲー!ではなく、

 未来が見える力を持っているの→悪いことが起こるから主人公は近づかないで→それでも俺はやめない→事件が起きる→視えたものが現実に!→巻き込んでしまったけどふたりとも無事→帰り際に「好きだー!」→終了

 つまり燃えゲーなのです(????)
 個人的解釈が入りますが「未来が視える」ということは、「いつまで主人公は過去を見続けているんだよ!前向いて頑張っていこうぜ!」ということだと思っています。
 しろはも「未来が視える」ことに対して逃げ続けた結果、ぼっちになっています。
 夏休みという言葉を言い訳にして逃げてもいい。私だって何かしら言い訳を付けて逃げ続けてきました。それも悪くないし一つの選択だと思います。
 ちなみにどうして最初にやったのかは「思い出したい」から。もし勧めるなら私はしろはから攻略してほしいと絶対に言い続けます。思い出してほしいから。

久島 鴎

 私が話したいことがすべて余談に行ってしまったのであまり書けないですがなんとか書いてみます。
 鴎もあゆや風子と同じように「生霊」として主人公の目の前に現れます。
 鴎が話を持ちかけて宝探しをすることになります。2回目だというのにも関わらず、ミスリードに持ってかれました。ひげ猫団について主人公は「見に覚えがある」と。ここで誰もが思うでしょう。「鴎と主人公って幼馴染じゃないの?」
 すごく良くないですか?気持ちが良すぎますよこれ。まんまと騙されてしまった自分が楽しい。
 そうして突然ヒロインが消えてしまい、そこからが鴎√のサビにあたるところでしょう。このひと夏の大冒険。鴎の夢を叶えてあげるために主人公が奔走するところが凄くいい。
 思えば夏の思い出を作るのも一つのテーマですから。

以下余談。

 たしかにと思えたことがありまして、死んだわけではないですがCLANNADでヒロインとして出てくる伊吹風子。「あの子と似たような感じの話だな」と友人に言われて、たしかにそうかもと。
 風子も誰からも見えていて「ここには存在しているけど存在していない人物」いわば「生霊」として書かれていました。お姉さんの結婚式を賑わせたい願いが具現化したもの。そうして彼女は消えて誰もその子のことを忘れてしまいますが、最終的には風子が現れて無事に結婚式もすることができました。みなさんなら分かるかと思いますが。
 それと月宮あゆもそうでしたね。探しものをして町中をさまよい歩く「生霊」。この子は目的のもので奇跡を起こして覚醒してハッピーエンド。
 3人に通ずるもの。それは「私の探しているもの、やりたいことを見つけて成し遂げるためにここにいるんだ!」と。
これを言い出してしまうと、Kanon問題だとか他のルートもなんか似てる……とキリがないのでここまでにしておきます。まあ多分、突っ込みますけど。

ヴェンダース

 ガチで“”泣く“”話です。私が可愛がっているキャラクターです。
 これもあって静久も推すようになったのかもですね。
 これは幻想。ぬいぐるみが「自分を探す」話。おっ、なんかこれどっかで聞いたことあるぞ?
 かなーり消化不良の話ナンバーワンなんですよね。 灯台守の話とか紬(神隠しにあったほう)の話とか駆け落ちしてしまった場合の話とか。でも、この話ではぬいぐるみの方の紬のためのモノですから仕方ないです。
 最後の夏休みが終わる1週間。すべてを詰め込んで紬と3人で楽しむことにしようと畳み掛けてくるのが本当に涙なしでは読めません。もちろん、さようならするところも。
 友達と過ごす夏休みは本当に楽しいってことです。

 また余談ですが、アニメのCLANNADのアフターで親父が実家に帰る前に朋也が親父を心配して、その合間に若かりし頃の親父が朋也を心配してあげる演出の畳み掛けも似ていて、もしかしたら私は畳み掛けてくるモノに弱いのではないのか。どうでもいいが過ぎますね。

空門 蒼

 設定上必要な七影蝶が関わってくる。それを捕まえて双子の姉を目覚めさせようとするお話ですね。
 蒼の存在がギャグなのでやっていて楽しい。
 難病とか実は死んでいました。そういうモノじゃなくて、話の山を超えてからヒロインは代償として目覚めなくなってしまうやつ。
 蒼の見舞い、蒼の七影蝶のため、主人公の夏休みが終わっても蒼のことを想っている主人公に泣けました。何を言っているのかわからないが、私自身にも分からない。確かに泣けたのには違いないんです。ただ、他と比べて内容が読めちゃうかなと。

ALKA

 めっちゃくちゃ泣いてしまった。
 やっぱり私は家族をテーマにしたものに弱いってことを毎回突かれてしまいます。
 何度も繰り返していくうちに、うみちゃんが幼なくなっていくのがここで大体が分かりますね。
 うみちゃんのために頑張っている主人公がまるで父親みたいで微笑ましい。あと、主人公が想ったよりもボイスが付いていたのがめちゃくちゃ嬉しかった。
 ALKAに関しては主人公というよりも、しろはとうみちゃんの話になっています。そこでしろはが「未来が視える」という能力について明らかになりますが、それは未来を見ているのではなくて夏休みを繰り返しているから視えてしまっていることになります。
 今までやってきた他のルートもまさしく「夏休みの在り方」です。
 ただ、その夏休みではうみちゃんは存在できないことになりますが、決して間違ったことではないんですよね。主人公がそうして決めたことなので。正しいものが一つに限るということはないのです。

Poket

 語り部の目線。花澤香菜さんらしいですね。笑
 七海はうみちゃんですが、ここでは七影蝶で出来た「僕」。七影蝶は人々の記憶が具現化したもの。つまり、プレイヤー自身の今まで体験してきた物語の全てがひとつになって出来たもの。それが「七海」ってことになるんだと思います。
 要は、七海=プレイヤーということです。
 この話もまた「夏休みの在り方」なんです。
 今まで見てきたのは夏休みという籠で、何度も繰り返してきた楽しい夏休みですが、それを抜け出す必要がありました。
 これから先の新しい未来はもう少し違うものかもしれませんし、また同じものかもしれません。ただ、悲劇のループを断ち切ることには間違いないのです。
 楽しい夏休みをくれたのはうみちゃんのおかげです。


 エピローグでは今まで見てきた「楽しかった夏休み」を過ごした後だとめちゃくちゃ物足りないですよね? そういうことなんだと思います。
 本当にやりたかったことはそれであってるのかなって。でも、最後に主人公は輝きに手を伸ばして、しろはに声をかけてまた物語が始まります。

 この作品では夏休みはループをしていました。でも私達が過ごす夏休みはどうでしょうか? ループなんてしませんよね。
 小さい頃にはしゃいでいた夏休みを覚えていますか? 私はおぼろげでしかないですけど、今よりはとても楽しいものだったはずです。
 純粋に楽しめていたあの時、あの頃の儚き瞬間。「眩しさだけは忘れなかった」つまりはそういうことです。過去は振り返ってもいいです。だけど未来を見て歩き続ける必要があるのです。

最後に

 それは少し駆け足でやってきたちょっと不思議な夏休みでした。
 私が忘れていた夏休み。本当に楽しかった夏休みを思い出させてくれました。
 やっぱり、いい話には変わりなかったです。

 

 

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