主人公になるのを諦めたオタク

色々あったこと、やったことを書いていきたいと思います。

WHITE ALBUM 感想【Steam版】

先日発売されたWHITE ALBUM【Steam版】の感想です。

今回もあまり堅苦しくなく、気軽に読める程度でまとめたいかなと。

 

本題

 WHITE ALBUM2を遊んだことがあったものの、元となるWHITE ALBUMを遊んだことがなかったのでSteamで販売されたことをきっかけにプレイ。

 アニメ版も見ていないのでほぼ初見。

 知っているのはヒロイン二人の名前と見た目だけ。

 浮気を取り扱ったゲームとは言っていいるものの、主人公が最初から恋人がいる前提での物語がスタートするので必然的に浮気となる。けれど、個人的には携帯電話のない時代のすれ違いの話のようにも思えた。このゲームを遊ぶ時代が初代含め10~20年立っていることも考えたら捉え方は変わってくるかもしれない。

 ゲーム自体が遊んでいる人間(私達)が主人公なので、WHITE ALBUM2とは違ってゲームの傍観者になれない。主人公が勝手に動き回るよりも自分の選択が主になってくるので、ここらへんは昔のゲームだなと。なので、むちゃくちゃになっていく登場人物たちを見ることが出来ない。


マナ

 受験に対してあまり力を入れず主人公にはチクチクでツンデレキャラのようにも思えたけれど、実際、他のヒロインたちと比べたらまあまあ楽しい内容だった。
基本的にこのゲームは由綺と付き合っていることが分かっていることを前提に話が展開されていく。
 しかし、このルートは分からないまま二人の関係が築かれていく内容。

 この関係が絶妙で「家庭教師が森川由綺と付き合っている」「私のいとこが森川由綺」なんて言ってしまえば、バカにされる。言い出せない環境に二人は置かれているのでずるずると引きずってしまいには……なんてことになってしまう。
 家庭教師として接していたが、それ以上の関係に踏み込んで勝手に勘違いして舞い上がるヒロインは必見。

 

 

はるか

 仕方ないとおもうけれど、あまりカタルシスを得られなかった話だった。
ヒロイン自体が退廃的な感じで無気力さが可愛さのヒロインだったのもあるのかもしれない。緩やかに物語が閉じて行くと言ったほうが的確だろう。
 幼馴染と恋をしたらこんな感じなんだろうなというイメージ。熱い愛情というよりも、なんとなく出会ってなんとなく好きになってなんとなく肉体関係を築いた。
 『なんとなくのレールをひたすら歩き続ける』そのような物語。

 

 

美咲

 三角関係ならぬ四角関係に発展してしまうルート。

 優しすぎる性格が故に優柔不断になってしまっている。

 裏切りも苦手。だから由綺の事を考えて思い切った判断を下せない。内に秘めたまま話が進む。

 由綺のことを大切に思っているので美咲は横取りをしたくても出来ない。主人公は特に悪びれることもなく付きまとうのも美咲の性格的にかなりきつかった行動なのかもしれない。そのせいでどんどん好きになってしまう。由綺となかなか会えないことで、別の女性で寂しさを紛らわそうとする行動が見えに見えていた。

 由綺と付き合っているのに美咲を奪おうとする主人公に対して、友人はどう思っていたのかをもう少し描いてほしかったが、そこは自分の中で想像するしかない。
主人公と美咲は『物語の中で優しさに溶けていく』そんな感じ。

 話の途中でいきなりキスシーンがあるのが本当に意味不明なのでぜひ遊んでほしい。

 

 

弥生

 全年齢版では楽しめないと思うのでWin98版でプレイしたほうが深みの出る話。
 このルートは異端で今までにないような美少女ゲームの雰囲気を感じさせられた。
 由綺が好き過ぎるあまり、キス以上の肉体関係を持つこともためらわない女性。由綺の成功のためなら障害となるものをすべて排除するために動いていく。

 唯一、美少女ゲームらしくない話で個人的にはかなり面白かった。
 恋愛というよりも感情のない仕事の関係。正直、話の作り方はかなり好きではある。

 

 

理奈

 どんどん離れていく由綺に対して、理奈はどんどん関係を築いていく。
 今まで英二の操り人形として生きてきた彼女は友達といえる人間関係を持てなかったところに主人公がやってきた。二人の心情を考えると運命的過ぎる出会いだったのかもしれない。

 終盤に差し掛かるとイベントに力を入れるべく、英二は由綺に肩入れをするようになってしまう。ここで『対等の考え方』のすれ違いから、もう一人の主人公に頼ってしまった。

 他のヒロインたちと比べて理奈は芸能人なので、同じ土俵に立つということは三角関係が一番表面上に現れるようになっていたのがとても見どころではある。が、その部分をもっと長く味わいたいところではあるけれど、今作ではあっさりと終わらせてしまうところが残念。

 どんどん手に入れていく由綺とは反対にすべてを失う理奈の対比がとてもキレイ過ぎる。

 

 

由綺

 最後に攻略を回していたキャラ。セリフとして「好きな人がいても横取り出来ない」「好きな人を独り占め出来るほど強くない」と言っていたんですが、本当に最初から付き合っていた設定で良かったなと感じるものがあった。もし、そうでなければ完璧に負けヒロインの座に縛り付けられていた。
 「主人公のためなら~」の部分をもっと早くに気づけていたらもっといい結果になっていたのだろうなと。

 お互いに、一歩先に踏み出すことはせずに『恋人ごっこ』だけをして『今の関係がこれから先もずっと続けばいいな』というのがずっと痛いほど伝わってきた。
 でも、画面の向こう側にいるアイドルと一般人の主人公にはかわりない。由綺が頑張れば主人公も喜んでくれると一方的に考えていたのならそれは自分のことだけしか考えてないのかもしれない。

 しかも、それを良いことに英二は家を用意して過密なスケジュールにしてなるべく合わせるようなこともせず、精神を摩耗させて横取りをされていたかもしれない。
 これを頭ハッピーに考えるなら大人の厳しさを教えていたんだろうなと思う。


総評というかまとめみたいなもの

 やっていて思ったのがまず、3点リーダーが多すぎる。雰囲気づくりや儚さの表現なんだろうけどあまりに多すぎる。

 あとは少しテキスト量が少ないかなと感じた。物語の文章を読むビジュアルノベルというよりもヒロインたちと交流をして恋愛シミュレーションをするイメージのほうがしっくりくるので仕方ないのかもしれない。
 そこで会話についてひとつ。フラグを立てなかったりステータスが足りなかったりすると選択肢から外れていくのでセーブとロードの繰り返しで大変かも。

 どうしても今のゲームに慣れてしまっているので、あまり馴染みのないゲームシステムに戸惑ってしまった。

 

 攻略した順はマナ→はるか→美咲→弥生→理奈→由綺

 

 おつかれ様でした。